<水俣病訴訟>患者会と国など和解協議 東京でも提訴へ(毎日新聞)

 水俣病未認定患者団体のうち訴訟派の最大組織「水俣病不知火(しらぬい)患者会」と、国、熊本県、原因企業チッソの和解協議が22日午後、熊本地裁(高橋亮介裁判長)で始まり、双方が和解を目指す方針を確認した。国は合意内容に基づき、水俣病救済特別措置法(特措法)による他の未認定患者の救済も図る方針。ただ、一時金額や救済対象者の判定方法などを巡って双方の隔たりは大きく、国が目指す5月までの解決は不透明だ。

 初回協議では冒頭、双方が和解解決方針を表明した後、被告側が▽対象者の判定方法▽一時金の額など救済内容▽責任と謝罪▽救済対象地域など−−の四つの論点を示した。患者会はこれに加え、被害の全容解明に向けた住民健康調査などを求めたが、いずれも事前協議では合意の見通しが立っていない。国側は次回2月12日、救済対象者を判定する第三者機関の設置方針を文書で説明する。

 患者会は、和解協議と並行して訴訟も続ける方針で28日に熊本地裁に第19陣60人前後が追加提訴するほか、関東周辺の会員十数人が2月下旬、新たに東京地裁に提訴する予定。大石利生会長は会見で「すべての水俣病被害者救済につながるよう、次回からの協議に懸けたい」と語った。

 不知火患者会は05年10月、行政の水俣病拡大責任を認めた04年の関西訴訟最高裁判決を受け、1人当たり850万円の損害賠償などを求めて第1陣が提訴。現在の原告数は計2018人。当初から裁判を通じた和解解決を求め、昨年7月に成立した特措法による行政主導の解決に反対した。もう一つの訴訟派団体「水俣病被害者互助会」(水俣市、170人)は被害の全容解明などを求めて裁判を続ける意向。【西貴晴】

 ◇慰霊の日念頭に…小沢環境相

 小沢鋭仁環境相は閣議後の会見で、「5月1日の(水俣病犠牲者)慰霊の日を念頭に置いて最大限の努力をし、和解と特別措置法による救済措置のバランスを考えた形での全面解決に向けて努力したい」と述べた。【足立旬子】

 ◇「早期解決努力」…平野官房長官

 平野博文官房長官は22日の記者会見で、「政府としても何としても早期に解決すべく、協議を成功裏に終わらせるように努める」と述べ、水俣病救済策の実現に向け、和解協議を急ぐ考えを示した。【横田愛】

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