【人・街・声】新宿の訪問歯科医 人のつながりが蘇らせた笑顔(産経新聞)

 寝たきり老人など在宅で介護を受ける人の自宅に出向いて、入れ歯の調整、口腔(こうくう)ケアなどの訪問診療を続けている歯科医がいる。「ふれあい歯科ごとう」(新宿区北新宿)代表の五島朋幸さん(44)。依頼は絶えず、週7日、多い日は8人のお宅を訪ねる。食べることは健康の源。その能力を失いかけた人たちをサポートするため、休診日のない毎日が続いている。(石塚健司)

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 武蔵野市の住宅街。ある夕方、ショルダーバッグとデイパックをたすきがけにした五島さんが1軒の民家を訪れた。冬でも日焼けした顔は、自転車で移動することが多いためだ。

 今回の患者は認知症などを患う吉田里子さん(81)=仮名。5年前に夫を亡くし、島根県で一人暮らしをしていたが、翌年、極度の塩分不足による電解質異常の状態で病院に運ばれ、武蔵野市に住む長女(57)宅に引き取られた。

 当初は鬱病(うつびょう)の症状もみられ、一日の大半をベッドで過ごした。入れ歯を受け付けなくなった口は咀嚼(そしゃく)する力をなくしており、長女は流動食で体力を回復させるため苦戦を続けていた。

 担当ケアマネジャーの強い求めで、普段は新宿区周辺を訪問エリアにしている五島さんが訪問を引き受けた。汚れた口腔の手当て。残された歯の処置。新しい入れ歯作り。咀嚼の訓練…。訪問を重ね、里子さんは徐々に食べる喜びを取り戻した。今は五島さんが数カ月おきに訪ね、入れ歯の調整などをするだけになっている。

 知らない人には心を閉ざす里子さんが、五島さんの顔を見ると記憶の糸がつながったように、本来の社交的な人柄に戻る。

 「ちょっとお肉が付き過ぎたんじゃないの?」と五島さんにからかわれ、照れ笑い。

 「どこか痛む場所はありますか?」。五島さんは里子さんの答えを聞いて、バッグから携帯マイクロモーター(入れ歯を削る器具)を取り出した。バッグにはほかに、入れ歯のクッション剤、懐中電灯など、訪問先に応じた道具が入っている。

 入れ歯を削り、約15分で診療は終了。

 「先生、おかげで(ご飯が)おいしいよ」。里子さんの言葉で五島さんも笑顔になった。

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 五島さんは島根県出身。父も内科の開業医で、正月も往診に出かける背中を見て育ったという。独居高齢者の多い新宿を中心に、抱えた患者は現在、約350人。週のうち5日は午前中を外来診療、午後を訪問診療に、残り2日も訪問診療にあてている。

 きっかけは13年前、新宿で在宅介護老人の訪問診療を続ける医師と出会ったことだった。「往診する医者はいるが、歯医者はいない。ぜひやってほしい」と請われ、まず内科の訪問診療に同行してみた。

 そして、寝たきり老人の大半が、入れ歯を付けていない現実を知った。「入院すると、入れ歯は危ないからと外される。でも、3カ月も外したままでいると、もう入れ歯が入らない口になってしまう。退院後は流動食や管からの栄養補給だけになる」

 当時、大学病院の勤務歯科医だった五島さんは、妻で歯科医の登世子さん(41)と2人で開院し、夫婦で手分けして訪問診療を始めた。

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 古い入れ歯を調整したり新調したりして、再び咀嚼できるようにすること−。当初はそれが自分の役目だと思っていた。だが、しばらく口から食べることをしなかった人が再び咀嚼し、飲みくだす力を取り戻すのは、簡単ではないことに気づいた。

 「そこで、入れ歯を作る前に、その人の飲み込む能力がどれだけあるかを調べ、その力を強めるための訓練をする。顔のマッサージ、唾液(だえき)を飲みくだす練習など。そこから先は十人十色。本人の意欲や健康状態、家族の努力などによって、僕のできることはさまざまです」

 管からの栄養補給が長かった人が、五島さんの指導で再び軽いものなら食べられるようになった例も多いという。五島さんと親しいケアマネジャーは「自力で食べることに意欲がでると、見違えるほど元気になる人を何人も見た」という。

 「訪問歯科という分野に教科書はありません。それぞれの現場で、人と人とのかかわりの中で作り上げていくのが、在宅ケアにおける歯科の役割だと思います」と五島さん。

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 【取材後記】日焼けした歯医者といえば、ゴルフ焼けが通り相場と思っていたが、この人の場合は訪問焼け。大歓楽街・新宿の片隅に、こんな人がいたとはと、驚くよりも感動した。これからの時代、こんな歯医者さんがもっと増えたらと願わずにいられないが、言うはやすく、行うは難い。五島夫妻はほかに新宿で訪問診療をする歯科医に会ったことはないという。

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ロシア外務省に厳重抗議=漁船銃撃−平野官房長官(時事通信)

 平野博文官房長官は1日午前の記者会見で、北方領土の国後島沖で北海道の漁船2隻がロシア国境警備隊のヘリコプターから銃撃を受けた問題で、ロシア側に「人命の損失につながりかねず不適切」などと厳重抗議したことを明らかにした。抗議は1月30日、上月豊久駐ロ臨時代理大使がロシア外務省のガルージン第3アジア局長に対し、口頭で行った。 

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<普天間移設>検討委、3月末に候補地決定(毎日新聞)

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題を巡り政府は1日、政府・与党の「沖縄基地問題検討委員会」(委員長=平野博文官房長官)で3月末をめどに移設候補地を決定し、鳩山由紀夫首相に報告する方向で調整に入った。検討委として首相に複数案を提示し、最終判断を仰ぐことも視野に入れており、政府が移設先決定の期限とする5月末を前に調整は山場を迎える。結論を早めに出すのは、米国や移設先となる地元自治体との折衝を、余裕を持って進める狙いもある。

 検討委では、2月2週目までに各党の委員が移設候補地を提案する。社民党の阿部知子政審会長は、同党が「最有力」と位置付けるグアムについて、検討委としての視察受け入れを米軍に求めるよう政府に要請しており、2日午後の会合で取り扱いが協議される見通しだ。国民新党の下地幹郎政調会長は米軍嘉手納基地(同県嘉手納町など)への統合を軸に提案する見通し。民主党側の委員も具体案を出す方向で調整を進めている。

 検討委では提案を募った後、実現の可能性や利点、デメリットなどを個別に検証し、候補地を絞り込んだ上で有力な複数案を首相に提示する段取りを想定している。

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<普天間移設>照屋議員ら平野官房長官に抗議 斟酌発言で(毎日新聞)

 社民党の照屋寛徳国対委員長ら沖縄県選出の与党系の国会議員で作る「うるの会」のメンバーが28日、首相官邸に平野博文官房長官を訪ね、平野氏が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設の是非が問われた名護市長選の結果を「斟酌(しんしゃく)しなければならない理由はない」と発言したことに対して抗議した。

 照屋氏らは「発言は沖縄県民にショックを与えた」と指摘。平野氏は「誤解があった。民意は尊重する」と釈明する一方、「移設先はゼロベースで検討する」と、現行の移設案を排除しない考えを強調した。照屋氏は会談後、記者団に「長官の真意は理解した。(現行案の同県名護市)辺野古沖に基地を建設すべきではないという我々の考えは伝わっていると思う」と述べた。【白戸圭一】

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「小沢独裁」を否定=社会保障円卓会議は消極姿勢−鳩山首相(時事通信)

 鳩山由紀夫首相の施政方針演説に対する各党代表質問が1日午後の衆院本会議で行われた。自民党の谷垣禎一総裁は鳩山政権について、小沢一郎民主党幹事長への権力の一元化が進んでいるとして「小沢独裁」を批判。これに対し、首相は「民主党は健全な党内民主主義を貫いている。(小沢氏は)党代表の信任と委託に基づいてその職務に当たっており、党や政府を支配するなどということは一切ない」と独裁を否定した。
 一方、谷垣氏は、社会保障制度改革とその財源となる消費税率の引き上げについて議論する超党派の「社会保障円卓会議」の設置を提案。首相は「国会審議で真摯(しんし)に議論するところからスタートすべきものだ。設置が必要なら将来的に考えたい」と述べ、消極的な姿勢を示した。 

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